公立A小学校フェロー体験記

Yさんは小学校の頃からの夢である小学校教員になるべく、教育学部で勉強をしている2年生である。教員志望とは言っても、教育実習が始まる4年生にならないと学校現場に入ることができない。しかし、T-searchは学部生の早いうちから、実際の教育現場で働く教師と真近で関わることができる、貴重な機会だと感じ志望。インターンを通して、教師のやりがいや大変さを体感し、教師になるために必要な力をつけること、将来の具体的な目標となる教師像を見つたいと思い参加した。特別支援学級に関心をもち、大学でも積極的に勉強をしているため、実際に関わりながら、どんな配慮が必要なのかを考え、自身が教師になった時に活かしたいと言っていた。

【Yさんレポート】
「児童が主体となる授業とは具体的にどんなものなのか」「児童が自らの興味や関心から問題を見いだし授業の中で解決していくべきだと言われているが、各学年で定められた習得させるべき内容に、児童の主体性を活かすことは難しいのではないか」私は大学で教育について学び始めて2年が経ち、何度も「アクティブラーニング」「児童が主体となる授業」と言う言葉を聞いてきたが、そんな疑問を抱えていた。

実際の教育現場で、現在の日本の教育が目指す授業はどれだけ現実的なものなのか気になっていた。そこで、7月〜9月という短い期間ではあったが、A小学校の学生インターンとして活動した。ただ児童と触れ合うだけでなく、事務職員の方や教職員の方の仕事を真近で見たり、補助員として仕事の手伝いをしたり、教育現場についてのお話を聞いたり、教育実習とは違った貴重な体験をした。

2ヶ月間で最も印象に残っていることは『育ちの森』でのことである。
『育ちの森』とは児童が生き物と触れ合えるように作られた、木や池のある中庭のことだ。事務職員の方から『育ちの森』の環境を整えたのは児童の言動がきっかけだと聞いた。
「なんで蚊がたくさんいるの?」
「もっとこの庭を楽しいところにしたい」
「生き物を池に入れたい」
もちろん教員がヒントを出したり、支援したりするが、そんな児童との何気ない会話が「どうしたらみんなが生き物と触れ合えるのか」「どこから生き物を連れてこようか」と授業で扱うことにつながったようだ。
これこそ大学で学んだ通りの、「児童の興味や関心から問題を見いだして授業内で解決していく学習」だと感じた。
また、私は池に入れる生き物を捕まえるために児童と一緒に川へ行く授業に同行した。私は小学生の頃にカニやザリガニは水辺の草や岩の下にいると習ったので、何人かの児童に「この辺いるかもよ」と水辺の草や岩を指した。しかし、児童は水辺ではないコンクリートの隙間にカニがいるのを見つけて、必死に棒でつついていた。生き物ではなく石や草を集めている児童もいたが教員はそれを止めたりもしなかった。
教科書を見て得た知識や先生から教わったことを知識として覚える私が受けてきた教育とはまるで違っていた。児童が自らの興味で行動して新しい発見をして教員が授業内容に結びつける、児童主体の授業だと感じた。

平成29年に改定された学習指導要領によりアクティブラーニングの導入が進められているが、教員側の理解や実践が足りず、ただ話し合いの時間を増やしたり、グループ活動をしたりするだけの学校が多いのではないかと私は思う。これから教員を目指す学生もイメージが掴みにくい。7回のインターンの中でA小学校のいくつかのクラスを回ったが、この学校はやりたいと思ったことや考えたことを大人に話す児童が多いと感じた。
例えば、町探検で校長先生へのインタビューが早く終わった時に、ある児童は他の先生にもインタビューをしたいと言った。またある児童は、課題が終わり自由な時間に読書をしてもいいかと聞いてきた。児童の主体性を引き出すことを意図して自由な時間を与えたのかは分からないが、授業の時だけに児童の主体性を引き出すことを意識するのではなく、日常生活からあえて自由な時間を与えて児童自らが有効的に使うように指導することも必要だと思った。
また、教職員の方の仕事を真近で見て、児童の主体性を授業にいかしたり、実体験をさせるためには、保護者や他の教職員に協力を依頼するなど、これまでの授業以上の事前準備が必要だと感じた。A小学校でのインターンを通して、現代的な理想の授業のイメージをもち、それに関わる教職員の働きを知ることができた。

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